金利が上がると株価はどうなるのか?この疑問は、投資や経済に少しでも関心がある人なら一度は気になるテーマです。実は、「良いインフレ」と呼ばれる景気が同時に好調な場面では、金利が上がっても株価がむしろ上がるケースもあります。つまり、金利と株価の関係は一概には語れず、背景にある経済環境を見極めることが大切です。
この複雑なテーマを理解するには、まず金利がなぜ動くのか、その仕組みを知ることが重要です。金利の変化は、中央銀行の金融政策だけでなく、景気やインフレ、為替、さらには企業の業績や投資家の心理とも深く関係しています。また、金利上昇が企業に与える影響や、投資家がどのように行動を変えるかも、株価の動きに大きな影響を与える要因です。
この記事では、金利上昇の背景、企業活動への影響、安全資産への資金移動、逆相関という考え方、さらには例外的な状況における株価の動きまで、順を追ってわかりやすく解説します。高校生や中学生にも理解できる言葉で丁寧に説明していきますので、初心者の方でも安心して読み進めてください。
経済全体の流れと投資判断のつながりを知りたい方にとって、きっと役立つ内容になっています。
- 金利と株価の関係は「逆相関」だけでは語れない
- 景気や為替もセットで理解すべき
- 投資家・企業・業界ごとに影響が異なる
- 金利上昇時のおすすめ投資戦略も紹介
金利が上がると株価はどうなる?基本の仕組みと背景

- 金利が上がるのはなぜ?わかりやすく解説
- 会社にどんな影響があるの?
- 投資家はなぜ安全な資産にお金を移すの?
- 株価と金利は反対に動くって本当?
- 金利が上がっても株価が上がることってあるの?
- まとめ:金利が上がっても、株価が下がるとはかぎらない
金利が上がるのはなぜ?わかりやすく解説
金利が上がる理由は、景気の動きや物価(インフレ)と深く関係しています。簡単に言うと、金利とはお金の「貸し借り」にかかるレンタル料のようなものです。このレンタル料が上がるときには、経済の中で大きな変化が起きています。
多くの場合中央銀行(日銀やアメリカのFRBなど)が金利を上げるタイミングは、「物価が上がりすぎている」ときです。物の値段がどんどん上がると、人々の暮らしが苦しくなります。そこで、中央銀行は金利を上げて、世の中に出回るお金の量を減らそうとするのです。
これにより、次のような現象が起きます。
- お金を借りるのが難しくなる(ローンや借金が増える)
- 買い物や投資が減って、景気が落ち着く
- 通貨の価値が上がって円高になることもある
このような金利の操作は、「インフレを抑える」ための手段として使われています。逆に、景気が悪くて物価が上がらないときは、金利を下げてお金を借りやすくし、経済を刺激しようとします。
金利が上がる背景には、以下のような経済の動きが関係しています。
- インフレ(物価上昇)への対応
- 景気の過熱を抑えるための政策
- 中央銀行の金融政策(利上げ判断)
- 世界経済の影響(アメリカの金利上昇など)
このように考えると、金利の変化は、日常生活や投資にも大きな影響を与える「経済の温度調整スイッチ」のようなものだと理解できます。
会社にどんな影響があるの?

金利が上がると、企業の経営にも直接的な影響が出てきます。特に大きいのが「お金を借りるコストの増加」と「新しい投資への意欲の低下」です。
企業は、設備投資や人材採用のために銀行からお金を借りることがあります。金利が低いときは、借りたお金に対する利息が少なくて済むので、将来の成長に向けた投資もしやすくなります。
ところが金利が上がると、以下のような影響が出てきます。
- 借入コストが増える(返すお金が多くなる)
- 利益の一部が利息に消える
- 新規投資を控えるようになる
- 中小企業ほど資金繰りが苦しくなる
例えば、1億円を年利1%で借りていた会社が、金利が3%になれば年間300万円の利息を支払わなければなりません。たった2%の差でも、企業にとっては大きな負担です。
さらに、投資家から見た場合も、企業の利益が減ることで株価が下がる原因になります。利益が減ると、株主への配当も減るかもしれないと考えられるからです。
企業が慎重になることで、経済全体の成長もゆるやかになりやすくなります。金利上昇は、単に「お金の値段」が上がるだけではなく、企業の活動や景気全体の流れにまで影響を与えるものなのです。
投資家はなぜ安全な資産にお金を移すの?
金利が上がる局面では、多くの投資家が「リスクの高い株式」から「安全性の高い資産」へと資金を移す傾向があります。これは、金利上昇がもたらす金融環境の変化によって、リターンとリスクのバランスが変わるためです。
たとえば、金利が低いときには、銀行にお金を預けてもほとんど利息がつきません。そのため、投資家はより高いリターンを求めて、株式や不動産などに投資します。ところが、金利が上がると、比較的リスクの低い資産でも十分なリターンが見込めるようになります。
このとき、投資家が選びやすくなる安全資産には以下のようなものがあります。
- 国債(日本国債・米国債など)
- 定期預金や貯蓄型口座
- 金(ゴールド)
- 円などの信用度が高い通貨
こうした資産は、値動きが小さいうえに、利息や信用の裏付けがあるため、相場が不安定なときでも保有しやすいのです。
また、金利が上がると企業の業績悪化が懸念されるため、株価の下落リスクも高まります。そのため、投資家はなるべく損をしないよう、いったん安全な資産に避難して様子を見ようとするのです。
まとめると、金利上昇時に投資家が安全資産に移る背景には、「株価下落のリスク回避」「安定した利回りの確保」「金融市場の不透明感への対処」など、複数の理由が重なっています。
株価と金利は反対に動くって本当?
「逆相関(ぎゃくそうかん)」という言葉は、経済や投資の話でよく出てきます。これは、ある2つのものが「反対の動きをする」関係のことを指します。
株価と金利の関係は、一般的にはこの逆相関の関係にあるとされています。つまり、
- 金利が上がると、株価は下がりやすい
- 金利が下がると、株価は上がりやすい
というのが、よくあるパターンです。
その理由は、大きく次の2つに分けられます。
金利が上がると、企業は銀行からの借入れにかかる利息が増えて、経費がかさみます。そうなると利益が減り、株主に配当するお金も少なくなる可能性が出てきます。結果として株の価値が下がるのです。
金利が高いと、安全な国債や定期預金でもある程度の利息がもらえるようになります。そのため、リスクのある株よりも、安定した利回りのある資産を選ぶ投資家が増えるのです。
ただし、すべての場合に当てはまるわけではありません。たとえば景気が良くて物価も緩やかに上がっているときには、金利が上がっても株価も上昇するケースがあります。このようなときは「景気主導型の金利上昇」と呼ばれ、企業の売上や利益が伸びるため、投資家にとってもポジティブな環境になります。
このため、「逆相関=必ずそうなる」と考えるのではなく、その時の景気、為替、業種などを総合的に見て判断することが重要です。
リスクを避けるためには、以下のような視点が役立ちます。
- 金利が上がる理由は「景気が良い」のか「物価が不安定なのか」
- 企業の業績がどうなるか(借金の多い業種は特に注意)
- 債券や定期預金の利回りとのバランスを見る
このように、株価と金利の関係には定番のパターンがある一方で、経済状況によっては例外もあることを理解しておくことが大切です。
金利が上がっても株価が上がることってあるの?

金利が上がると株価は下がる、とよく言われますが、実は「そうならないケース」も存在します。その代表的な例が「良いインフレ」と呼ばれる経済状況です。
良いインフレとは、物価が緩やかに上がっているものの、それ以上に経済成長や企業の業績が好調な状態を指します。このようなときには、金利が上がっても株価が上がることがあります。
ここで、良いインフレの特徴を整理してみましょう。
- 消費が増えて企業の売上も伸びる
- 賃金も上がって人々の生活に余裕が出る
- 企業の利益が増えるため、株価が上昇しやすい
- 中央銀行が慎重に金利を上げることで、経済を冷やしすぎないように調整する
例えば、アメリカでは過去に「景気拡大+緩やかなインフレ+金利上昇」の組み合わせで、株価がむしろ上がった時期が何度かありました。これがまさに、良いインフレの典型的なパターンです。
一方、注意すべき点もあります。良いインフレが続くには「企業の収益が金利の上昇を上回るペースで成長している」必要があります。このバランスが崩れると、すぐに「悪いインフレ(スタグフレーション)」に変わり、株価が下がる可能性が出てきます。
このように、金利上昇が必ずしも悪いわけではなく、経済全体が前向きに動いているかどうかがポイントになります。
まとめ:金利が上がっても、株価が下がるとはかぎらない
ここまで解説してきた通り、「金利が上がると株価が下がる」というのは、確かに基本的な傾向ではあります。しかし、その関係は状況によって大きく変わるため、常に当てはまるわけではありません。
特に以下のような条件がそろっている場合、金利上昇でも株価はむしろ上昇することがあります。
- 景気が拡大して企業の収益が伸びている
- 中央銀行が段階的かつ予測可能な利上げをしている
- 投資家が将来の成長に期待を持っている
- 金利上昇が金融引き締めではなく、「景気に自信あり」と受け取られている
このようなとき、株式市場はポジティブに反応しやすくなります。つまり、「金利上昇 = 悪いニュース」とは限らないのです。
ただし、以下のようなケースでは注意が必要です。
- インフレだけが進み、景気が悪化している(悪いインフレ)
- 急激な金利引き上げで企業や個人の負担が増える
- 利上げが不透明・唐突に行われる
このような状況では、株式市場は不安定になり、下落リスクも高まります。
まとめると、「金利と株価は逆に動く」という定説はあるものの、実際の動きはもっと複雑です。だからこそ、ニュースや経済指標を幅広く見て、バランスよく判断することが、投資を成功させるためには欠かせません。
金利上昇時の株価への影響をパターン別に解説

- 景気と金利と株価の関係って?図を使ってわかりやすく説明
- お金の価値が変わると会社の利益も変わる?円安・円高のしくみ
- 強い業界と弱い業界をわかりやすく紹介
- くらしやローン、投資はどう変わるの?
- 外国の投資家が買うか売るかで、日本の株価がどう変わるかを解説
- 株価はどうなる?まとめと対策
- これだけは知っておきたい!金利と株価のQ&A
景気と金利と株価の関係って?図を使ってわかりやすく説明
景気、金利、株価。この3つは、お互いに影響し合う関係にあります。これを知っておくと、ニュースの内容や投資の判断がグッとわかりやすくなります。ここでは図解のイメージに沿って、三者の関係を整理してみましょう。

① 景気が良くなるとどうなる?
- 企業の売上・利益が増える
- 消費が増えて、物価も上がりやすくなる(インフレ)
- 株価は上昇しやすい
- 中央銀行は金利を上げやすくなる
② 景気が悪くなるとどうなる?
- 企業の業績が落ちる
- 消費が冷え込み、物価が下がる(デフレ傾向)
- 株価は下がる傾向
- 中央銀行は金利を下げて景気刺激を図る
このように、景気・金利・株価は単体では動かず、セットで変化していきます。たとえば、景気が悪くても「これから良くなる」と投資家が感じれば、株価だけが先に上がることもあります。逆に、景気が良くても急な金利上昇で株価が下がるケースもあります。

この三者の関係を理解するうえで、以下のポイントが重要です。
- 景気がどう動くかは「先行指数」「雇用統計」「企業決算」などで確認できる
- 金利の動きは中央銀行の方針に左右される
- 株価は「未来の期待」にも反応するため、景気とずれることもある
三者の関係を図やフローで意識するだけで、経済全体の動きが一気に読みやすくなります。
お金の価値が変わると会社の利益も変わる?円安・円高のしくみ

金利や株価の話とあわせて忘れてはいけないのが「為替の動き」です。特に日本では、多くの企業が海外と取引をしているため、円高や円安は企業の業績に大きな影響を与えます。
まず、円安・円高の意味を簡単に説明します。
- 円安: 1ドルが120円 → 130円になる → 円の価値が下がる
- 円高: 1ドルが130円 → 120円になる → 円の価値が上がる
【円安が与える影響】
- 輸出企業にとってプラス(海外で売った商品が円に換算されると利益が増える)
- 例:トヨタ、ソニー、任天堂などは円安で業績が良くなりやすい
- 逆に、輸入品の価格が上がるため、原材料コストが増える企業もある
【円高が与える影響】
- 海外に商品を売っている企業は損をしやすい(売上が円換算で減る)
- 一方で、輸入企業や原材料を海外から買う企業はコストが下がる
- 旅行会社や海外通販業者にも有利
【為替と金利の関係】
為替は金利にも反応します。たとえば、アメリカの金利が日本より大きく上がれば、投資家はより高い利回りを求めてドルを買い、円を売ります。その結果、円安になります。
このため、為替の動きは次のような要因で決まります。
- 日本と海外の金利差
- 政治や経済の安定性
- 投資家のリスク回避姿勢(有事の円買いなど)
為替の変動は企業の業績だけでなく、株価や物価、私たちの生活にも大きく関わってきます。たとえば、円安が進めばガソリンや食料品の価格も上がりやすくなります。
このように考えると、「金利が上がる=株価が下がる」という単純な話ではなく、為替の動きとセットで経済全体を見ていくことがとても大切になります。
強い業界と弱い業界をわかりやすく紹介
金利が上がると、すべての企業や業界が同じように影響を受けるわけではありません。実際には、金利の上昇に強い業種と弱い業種があります。ここでは、業種ごとの特徴とその理由をわかりやすく解説します。
【金利上昇に強い業種(プラスに働く)】
- 銀行・保険(金融業)
- 預金と貸出の金利差(利ざや)が拡大し、利益が増える
- 特に長短金利差が広がると、収益向上につながりやすい
- 商社・エネルギー関連
- 資源価格と連動して業績が動くことが多く、金利とはやや独立した動きをする
- 円安も同時に進む場合は輸出で業績が伸びやすい
- 高配当株(公益・インフラなど)
- 安定した配当収入が魅力で、金利上昇局面でも比較的下落が限定的
【金利上昇に弱い業種(マイナスに働く)】
- 不動産・建設
- 資金を借りて事業を行う企業が多く、金利負担が大きくなる
- 住宅購入者のローン金利も上がるため、需要が減少しやすい
- 小売・サービス(特に消費関連)
- 消費者が支出を抑える傾向になり、売上に影響
- 景気の変動を受けやすい分野
- ハイテク・成長株(IT・バイオなど)
- 利益が出るまで時間がかかる企業が多いため、将来の利益を現在価値に割り引くと評価が下がりやすい
- 成長期待だけで株価が上がっていた企業には逆風になる
このように、金利が上がることはすべての企業にとって悪いことではありません。むしろ、金融セクターなどには追い風になることもあります。
投資を考える際は、「どの業種がどんな影響を受けるか」を知ることで、リスクを減らしやすくなります。
くらしやローン、投資はどう変わるの?
金利が上がると、私たちの生活にもじわじわと影響が出てきます。
特に目立つのは「住宅ローン」「物価」「投資信託」など、日常に関わるお金の流れです。
【住宅ローンへの影響】
- 変動金利型ローンは、金利上昇にともない毎月の返済額が増える可能性がある
- 固定金利型であれば、契約時の金利が維持されるため、影響を受けにくい
- 金利上昇局面では、借り換えのタイミングや固定か変動かの判断が重要になる
【生活費・家計への影響】
- 物価が上昇すると、食料品・電気・ガソリンなど生活必需品の価格も上がりやすい
- 金利が上がると、クレジットカードのリボ払いやローンの金利も高くなることがある
- 貯金の利息も少しずつ増えるため、預金者にはプラス面もある
【投資信託・資産運用への影響】
- 債券型の投資信託は金利上昇で価格が下がる傾向がある(特に長期債)
- 株式型は「成長株」よりも「高配当株」や「金融株」が強くなる場合もある
- 分散投資を行っているバランス型ファンドでは、一部資産の下落リスクが増す可能性あり
【個人で注意すべきこと】
- 住宅ローンの見直しや借り換えの検討
- 家計の支出管理(特に変動費)
- 投資信託のポートフォリオ確認とリバランス
- 預金の利率やキャンペーンの活用も視野に
このように、金利上昇はニュースで見るだけの話ではなく、私たちの暮らしのすぐそばにある問題です。生活を守りつつ、うまく対応していくことが大切です。
外国の投資家が買うか売るかで、日本の株価がどう変わるかを解説

日本の株式市場では、「外国人投資家」の動きが大きな影響を持っています。実際、東京証券取引所で取引される株の売買のうち、6割以上が外国人投資家によるものだとされています。このため、彼らの判断次第で株価が大きく動くこともあります。
ここで注目すべきポイントは、「なぜ外国人投資家が日本株を買ったり売ったりするのか」という視点です。
【外国人投資家が注目する主なポイント】
- 日本と海外の金利差
→ 海外(特に米国)の金利が上がると、日本株よりもドル建て資産を選ぶ傾向が強まる - 為替の動向(円安・円高)
→ 円安のときは日本企業の利益が伸びやすいため、株価にとってプラス材料 - 日本企業の業績や成長性
→ 海外投資家は企業収益に敏感に反応し、見通しが良ければ積極的に買いに動く
【外国人投資家の動向による需給バランスの変化】
需給バランスとは、「買いたい人」と「売りたい人」のバランスです。外国人投資家が大量に買い注文を出せば、株価は自然と上がりやすくなります。反対に、一斉に売却を始めれば、株価が急落する可能性もあります。
次のような場面では特に注意が必要です。
- 米国で利上げが続いているとき(ドルに資金が流れやすい)
- 世界的な経済不安が高まったとき(リスク回避で資金が引き上げられる)
- 円高が進んだとき(輸出企業の業績悪化が警戒されやすい)
【個人投資家ができる視点の持ち方】
- 外国人投資家の売買動向をチェックする(東証の週次レポートなどで確認可能)
- 為替や米国の金利政策をニュースで追う
- 外国人比率の高い銘柄やセクターを知っておく(特に大型株)
こうして見ると、日本株の価格は国内の景気や企業業績だけではなく、グローバルな資金の動きにも大きく左右されることがわかります。投資を行う際には、外国人投資家の動きも意識しておくと、先回りの判断がしやすくなります。
株価はどうなる?まとめと対策
金利の上昇は、株式市場にとって一つの大きな分かれ道です。単純に「金利が上がると株価が下がる」と言い切ることはできませんが、影響を受けやすい場面が多いのは事実です。
ここでは、これまでの内容をまとめながら、個人が取るべき対策を整理します。
【金利上昇が株価に与える影響のまとめ】
- 一般的には「逆相関」の関係がある
- 金利が上がると企業の借入コストが増え、利益が減りやすい
- 投資家はリスクを避け、安全資産に資金を移す傾向がある
- 一方で、景気が拡大している局面では株価が上がるケースもある(良いインフレ)
【金利上昇局面で特に注意すべき業種】
- 金融業(銀行・保険)は恩恵を受けやすい
- 不動産・建設・成長株は下落リスクが高まる
- 為替が円高になると、輸出関連企業の業績が悪化しやすい
【個人投資家ができる主な対策】
- ポートフォリオの見直し
→ 業種の分散、高配当株や金融株の比率アップを検討 - リスク管理を強化
→ 株価変動に備え、現金比率を一時的に高める選択も視野に - 為替・金利・外国人投資家の動きに注目
→ 特に米国の政策金利や円相場の変化をチェック - 住宅ローンの再検討
→ 変動金利型を利用している場合は、固定金利型への切り替えも検討材料
株価はさまざまな要因によって動きますが、金利はその中でも特に重要なカギを握る存在です。経済全体の流れを読みつつ、自分の資産を守り、育てていく視点を持つことが、これからの時代には欠かせません。
これだけは知っておきたい!金利と株価のQ&A
- Q金利ってそもそも何ですか?
- A
金利は「お金を借りるときに払う手数料」のようなものです。例えば、1万円を借りて1年後に1万100円返すなら、100円が金利です。
- Q金利が上がると、なぜ株価が下がることがあるんですか?
- A
企業が銀行からお金を借りるときのコストが増えるからです。その分、利益が減って株の価値が下がることがあります。
- Q金利が上がると、株価が絶対に下がるんですか?
- A
いいえ。景気がよくて企業がもうけているときは、金利が上がっても株価が上がることもあります。
- Q株価と金利は「逆の関係」と聞いたけど、それって本当?
- A
多くの場合そうなりますが、いつもそうとは限りません。逆相関といって、金利が上がると株価が下がりやすい傾向があるという意味です。
- Q銀行や保険の会社は金利が上がるとどうなるの?
- A
銀行や保険会社は、お金を貸すことで利益を出しているので、金利が上がるともうかりやすくなります。
- Q金利が上がると、生活にはどんな影響がありますか?
- A
ローンの返済額が増えたり、買い物の値段が上がったりすることがあります。でも、預金の利息も少し増えるかもしれません。
- Q金利が上がると、安全な資産にお金が流れるってどういうこと?
- A
株は値下がりするかもしれませんが、国債や定期預金などは安定して利息がもらえるので、そちらに投資する人が増えるのです。
- Q為替(円高・円安)と株価の関係って何ですか?
- A
円安になると輸出企業(車・電機など)はもうけが増えやすく、株価が上がることがあります。逆に円高だと利益が減るかもしれません。
- Q外国人投資家の動きが日本の株価に影響するのはなぜ?
- A
日本の株式市場では、売買の多くを外国人投資家がしているからです。たくさん買えば株価は上がり、売れば下がることが多いです。
- Q金利が上がっているとき、どんな投資をすればいいの?
- A
銀行株や高配当株、またはリスクの少ない債券などが選ばれることが多いです。投資は分散してリスクを減らすのが大切です。
金利が上がると株価はどうなるのかを総合的に理解するためのポイント
- 金利はお金の貸し借りにかかるコストで、景気や物価に影響されて動く
- 中央銀行はインフレを抑えるために金利を引き上げることがある
- 金利が上がると企業の借入コストが増え、利益が圧迫されやすい
- 借入コスト増により企業の新規投資が慎重になりやすい
- 利益減少が見込まれる企業には株価下落の圧力がかかる
- 投資家はリスクを避けて、国債や預金など安全資産へ資金を移す傾向
- 金利が上がると債券の利回りが魅力となり、株式から資金が流出しやすい
- 銀行や保険など金融業は金利上昇で利ざやが広がりやすく恩恵を受ける
- 不動産や小売などは借入負担や消費低迷で業績が落ちやすい
- 景気が堅調なときの金利上昇は、企業収益の伸びが株価を支えることもある
- 「良いインフレ」では金利が上がっても株価が上がるケースがある
- 外国人投資家は金利差や為替動向を見て日本株を売買する
- 米国の利上げが進むとドルに資金が集まり、円安・株安要因になりやすい
- 円安は輸出企業にプラスとなり、円高は輸入企業に有利になることがある
- 個人も金利上昇局面ではローン・家計・資産運用の見直しが必要になる